英国のEU離脱に際し、人々は偽情報を信じてしまった。現代ではあまりに情報量が多すぎて、人々は真実ではなく自分の考えに近い情報のみを選別するようになる (BLOOMBERG/GETTYIMAGES)

 日本人にとって「インテリジェンス」という言葉はあまり馴染みがないかもしれないが、諸外国では国家の情報組織や機密の意味でよく使用される。元々、インテリジェンスは「知性」を意味しており、これが政治や外交の分野で使われると、「国家による情報活動」の意味となる。日本では昔から「諜報」という言葉で理解されているが、これだとスパイ活動に限定されてしまう。インテリジェンスの概念は多岐にわたるため、本連載を通じて、歴史や諸外国の事例など様々な視点から紐解いていきたい。

 インテリジェンスには単に「情報」という意味もある。普通、情報を英訳すると「インフォメーション」という言葉になるが、こちらの情報はデータや生情報を指す。それに対してインテリジェンスの「情報」は、「評価・分析が加えられた判断・決定のための情報」という意味を内包している。日本の報道では外国の高官が「インテリジェンス」と発言したものを「インテリジェンス情報」と訳すこともあり、翻訳に苦心している様子が窺える。

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