ムハンマド皇太子(写真右上)が掲げる脱石油依存改革「ビジョン2030」は、コロナ禍により暗礁に乗り上げつつある (AP/AFLO)

 石油や天然ガスに経済を大きく依存する湾岸アラブ諸国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦〈UAE〉、カタール、オマーン、クウェート、バーレーンの6カ国)は、原油価格の低迷、国際経済の減速、加えて新型コロナウイルス感染症の影響下で厳しい状況にあり、経済回復に向けての模索のただ中にある。

 湾岸アラブ諸国は2000年代以降の原油価格の高騰を背景に、経済開発を進め急速な経済発展を遂げてきた。03年には、サウジの実質国民総生産(GDP)成長率は11.2%、UAEは8.8%、クウェートは17.3%など高い数値を記録した。

 しかし、08年7月の原油価格(WTI価格)が1=147㌦で最高値を更新した後、16年2月には1=約26㌦まで下落、21年1月現在50㌦前後で低迷している。原油価格の下落により、湾岸アラブ諸国は米国のサブプライムローン問題やリーマンショックによる被害を埋め合わせられない中でコロナ禍に追い打ちをかけられた形で、20年の各国の実質GDP成長率は、サウジがマイナス(以下、▲)5.4%、UAEが▲6.6%、カタールが▲4.5%(国際通貨基金〈IMF〉の20年10月版世界経済見通し)と大きく減速することが予測されている。

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